ジャズの学習♯001

初心者の方も、ジャズ特有の学習方法から音楽を感じ、楽しみましょう。


目的

  • ジャズの学習
  • を鍛える

クラシックの学習との違い


①音楽の作られ方の違い

結果の音だけを聞いたら、なかなか解らないところですが、ジャズとクラシックでは音楽の作られ方自体に違いがあります。

クラシックでは、音符が書いてある楽譜があり、楽譜通りに演奏します。まるで「原稿のあるスピーチを読む」ような感じです。


ジャズでは、音符が書いてある楽譜は無く、コード(伴奏)のルールを知り、その時その場で即興で演奏します。まるで「語学を学び、おしゃべりする方法を身につける」ような感じです。コードに「音を並べるパズルゲーム」とも言えるかもしれません。

クラシックを取り組む人は、「一曲完成」がめざす目標になり、モチベーションとなり、そこをめがけて積み上げていきます。

ジャズを取り組む人は、「コード(伴奏)に対してなんの音を吹くか」が焦点であり、モチベーションであり、曲(演奏)はその結果として出てきたものと考えると解りやすいです。


②学習方法の違い

クラシックは、書いてある譜面を読み込み、インプットした事はそのまま発表(アウトプット)に直結しています。

目標とする「一曲完成」までは、階段を登っていくように積み上げ式です。


ジャズでは、ジャズ語をインプットしたからといって、そのままアウトプットに直結している訳ではありません。

ジャズの「曲」はインプットした事が結果として出てきたもの(癖のような感じで、ほぼ自動で出てくる)で、おまけとして「曲として残った」と考えると解りやすいです。


ジャズ語のインプットは一度脳内にメモリーされ、自分自身のジャズ語の材料になります。しかし、インプットしたからといって、すぐペラペラ喋れる訳ではなく、アウトプットはインプットとは別回線というイメージです。アウトプットはアウトプットの練習をします。

最初は、「ジャズの学習と、演奏結果が直結してない」と感じ、もどかしさや、壁を感じるかもしれませんが、そもそもそこには壁があり、脳内で色々な点がつくられてから勝手に線となって演奏に出てくる、(アウトプットは自動)と考えておく事をおすすめします。

③ジャズの楽しみ方

最初から、ジャズをクラシックのように、「一曲完成させる!」とモチベーションに置いてしてしまうと、なかなかうまくいかないかと思います。


ジャズでは、色々なしゃべり方を知って、引き出しを増やしていく事自体に興味やモチベーションを持ってみると入りやすいかと思います。


今回はその導入を行ってみたいと思います。初心者の方でもできますので、「まずは実践」から入りましょう。


ジャズでは、コードという、一定パターンが繰り返される伴奏があります。

今回の伴奏は「B♭7」です。(※参照音源)



①伴奏で流れている「B♭7」とは、「シ♭レファラ♭」の事です。

各楽器では、
フルート「シ♭•レ•ファ•ラ♭」
アルトサックス「ソ•シ•レ•ファ」
トランペット/クラリネット
「ド•ミ•ソ•シ♭」
となります。

②最初は「1度・3度・5度」の3つの音を吹きます。音とコードの度数、指を覚えましょう。
フルート「1度シ♭、3度レ、5度ファ」
アルトサックス「1度ソ、3度シ、5度レ」
トランペット/クラリネット
「1度ド、3度ミ、5度ソ」

③伴奏に合わせて3つの音を好きなように吹いていきましょう。リズムをどうするか?次なんの音を吹くか?は自由です。「音当てゲーム感覚」で、楽しんで吹いていきましょう。

ポイント

まずは遊び感覚で実践する事です。実践から入り、必要な課題やルールを1つづつ覚えていきます。楽譜が全くないところで、3つの音を吹く事は、最初は戸惑うかもしれませんが耳から入る事にも慣れましょう。次第に3つの音を鳴らしたい時に、鳴らしたい音がだせるようコントロールできるようになります。


音を出す事に慣れてきたら、
まずは「リズム」を楽しんでみましょう。音があっているか、間違えたかよりも、伴奏のビートと息を合わせる事がポイントです。
3つの音をジャズ特有の「リズム」「イントネーション」で吹く事からジャズ語をスタートしていきましょう。

効果

ジャズでは耳が鍛えられ、初心者の方でも楽しみながら音を出す事ができます。
本格的にマスターするには語学のように、暗記する事も多く、時間もかかりますが、ジャズをマイペースに取り入れ取り組む事で視野が広がります。

ジャズが好きになったら、ぜひローカルなジャズライブに行ってみて肌でジャズを感じる事ができたら本当はすごく良いと思います。

「ジャズマン」と呼ばれる、ジャズを専門にする演奏家の方々は、人柄も、文化も、素敵な方ばかりです。
私がアルバイトしていた赤坂のjazz berは既に閉店してしまいましたが、ぜひあたたかいジャズスポットがみつかりますように!

※ジャズの「曲」の演奏を味わいたい場合は、クラシックのように楽譜に書いてある「ジャズアレンジの楽譜」も初級〜上級まで沢山出版されています。

今、ご自身の興味があるところから入り、行ってみてくださいね。